オシャンティーな人は敵じゃないのお
オシャンティーな感じやリア充っぷりが嫌で安野モヨコの漫画を好きじゃない腐女子は割と多いと思うのですが、まともに読んだことない私が言うのもあれですけど、思うにモヨコさんって普通に立派なオタク女子だと思います。じゃなければ、庵野との対談をきっかけに結婚まで至りはしないと思う。
- 作者: 安野モヨコ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2005/02/08
- メディア: コミック
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それで庵野と結婚したから、これはマジだったんだなって思った。
オタクである自分を受け入れオタ充しつつ「リア充爆発しろ」って叫んでる人の方が、モヨコさんに比べると遥かに健全で幸福じゃないかと思う。モヨコさんはオタクを「こじらせた」タイプであり、「こじらせ腐女子」の典型なのだから。さらに描いているものがああいう話ばかりだと尚更。(同士であるはずの)オタクからは倦厭され「オシャンティー」と叩かれいいことないし、リア充を読み手とした漫画を描いているけど本人はオタク。なんだかとても不幸に感じる。
そしてモヨコさんもだけど、やまだないと先生もリア充でスイーツ(笑)向けのオシャンティー全開マンガを描いてたけど、最近はそうした漫画を休業してまで若手俳優(2.5次元)に入れ込んで追っかけしたりしてるわけです。
オシャンティー最前線の人気者と思われ、脚光を浴びながらも本人は実はオシャンティーとは無縁で、実はコンプレックスの塊のような例は、海外にもあります。
ヤングカルチャー(セックスやドラッグ)を題材に、サブカルに絶大な影響を与えたアメリカの写真家にラリー・クラークという人がいるんですけど彼も似たようなことを言ってました。
ラリー・クラーク/Larry Clark作品画像コレクション - NAVER まとめ
「ドラッグカルチャーに浸かる若者たちの側で、彼らの写真を撮ってきた。でも自分は間違ってもそっち側の人間じゃない。なりたくてもなれない。それを自然に身につけている彼らが羨ましかった。俺には真似してもどこか居心地が悪くて、様にならなかったから。自分はずっと彼らに憧れていただけなんだ」
彼の写真はドラッグに溺れる若者や若者の乱れた性とか、そんな写真ばかりでしたが、スタイリッシュでかっこよく、当時から今に至るまでオシャンティーだと思われつづけているんですが、そのインタビューを読んでから変な親近感が沸きました。
そうかあ、これは彼自身じゃなく、彼の憧れの眼差しだったんだなあと。
世にはびこるリア充やスイーツ(笑)作品の作り手は、必ずしもその世界の住人で馴染んでいるわけじゃなく、むしろ本人は地味で、オタクだったりすることも多い。オタクとしては開き直れなかったゆえ生き惑った挙句、そういう場所に行きついてしまった。
そうした彼らなりの事情や葛藤を知る機会があれば、理解してあげるのは大事なことじゃないかと思うんです。
今やオシャンティー代表の村上春樹だって、デビュー前はオシャンティーとは無縁のガチガチの純文学で三島由紀夫のシンパみたいな小説を書いていたのですから。