腐女子解体新書

腐女子による腐女子のための腐女子考察

「夢」みる少女じゃいられない

この頃、よく思うのが腐女子の最大の敵は男オタでもNLでもなく「腐女子のフリをしてる夢女子」(以降ドリ腐)ではないかと思っています。
ドリ腐の見分け方は簡単で、描いてる作品や好きな作品を見れば一発で分かります。


私のはまっているジャンルだけやたらと多い気がしなくもないですが、もともと夢関係からジャンルにはまり、ホモにきた人も多いので仕方ないのかもしれません。
が、今まで通過してきたジャンルにも必ずこの手合いはいました。そして大概、地雷級の作風の方が多く、またそのファンの方も苦手でした。


腐女子はよく「カプに対し第三者視点もしくは攻めに自己投影する」と言われますが、嫌腐女子の人たちはこれを真っ向から否定してます。
「自己投影してるのは受けで、攻めは必ずハイスペックイケメンにしてるし、最終的には自分(受け)にとって都合のいい展開の話しか受け付けないじゃない」

こんな論調です。が、先に述べた苦手な作風もといドリ腐がまさにこれを支持してるわけです。ですから、腐女子の方には腐女子とドリ腐を明確にわけていただきたい。
ドリ腐は腐女子と相容れない生き物です。私にとっては間違いなくそうです。


私は「夢」の概念がないですし、好きな人がいても、そのよさは理解できません。
上記のような腐女子批判を目にするたびに「ドリ腐の連中の作風がこれであって、攻めは結局『理想の彼氏』なんだなあ」と思わされるわけです。
現実感のないハイスペックイケメンに書き換えられた攻めを見るたびに、非モテの妄想を見せられているみたいでげんなりします。人生そんなに甘くないです。


私は攻めに自己投影をするタイプですが、夢願望はないけれど、あるとするなら攻めになって受けとラブしたいという気持ちなら十分にあります。よって、攻めを無意味にハイスペ化されると感情移入ができないし、受けにとって都合のいい展開にされるとまったく面白みがない。攻めは受けの奴隷かよ!って気持ちになって萎えまくりです。


そして思うにドリ腐は若い層を中心に爆発的に腐女子界隈に増えているように感じます。
しかし、本人たちは攻めにドリ入っていることを認めないし、受けが作者もしくは読者の分身であることも認めない。
事実を否認するほどたちの悪い人種はない。
認めてくれさえすれば、こちらから近づきません。ですが最初はドリ腐は平然と腐女子を名乗りますから、うっかり近づいてドリ腐だったと知ったときのショックは大きいです。しかも自カプが自分以外全員ドリ腐だったときの絶望感はぱないです。


そもそもドリ腐さんの創作目的を見てると「原作へのリスペクトから発生する二次創作ではなく『理想の彼氏』となった攻めと『私である』受けのラブストーリーを見てほしい」が根本欲求なので、キャラ崩壊上等、設定無視上等で、原作の面影はなきに等しい。すべてが作者にとって都合のいいものに作り変えられます。
そのせいかドリ腐さんの作風は、影響されてそうなったのか自然とそうなったのか分かりませんが、金太郎飴になってるというか、伝染病みたいな気さえしてきます。
こうも同じならいっそ(苦手な)パラレルでも描いてくれと思いますが、恐らくパラレルでも解釈とキャラ配置はやっぱ一緒なんだろうなと思います。


周囲のキャラがみなホモの応援団や相談役と化し、全員でホモを応援。
普段ドヤ顔自信家なはずの受けは、攻めがちょっと離れるだけでギャーギャー騒ぐわ喚くわ、ファビョるわで、周囲のキャラが一丸となってサポートしアドバイスし、応援する。
私から言わせれば、周囲を巻き込まなければ恋愛もできないのかと突っ込みたくなるし、恋愛くらい当事者だけで解決しろマジうざいって気分にしかならない。
実際、自分の部活の部長が色恋沙汰に一喜一憂し、その度に部員が工作したり、気を使ったり、応援したりしなくてはいけない部活なんて私だったら嫌です。すぐにやめますそんな部活。


原作の受けは自信家な上にいつも堂々としてるけど、ちょっと抜けててアホなところがかわいくて例え好きな相手に対しても、トンチンカンな余裕かましてるところを見たいのです。口調や態度だけでなく、中身と行動も原作に似た自信とプライドとアホさを備えた受けの恋愛模様がみたいんです……。
ところがドリ腐の受けちゃんは口調や態度は男でも、中身が豆腐メンタル女子のそれ。
あーいたいた。こういう女子。周囲を巻き込んで迷惑かけながらしか恋愛できない、うざい女子。それを彷彿と思い出すし、好きなキャラが嫌いな女子に変換させられているせいか、ムカムカしてくるという悪のスパイラル。


どのジャンルのどのカプにもカプテンプレはあります。ですが、悲惨なのはドリ腐のテンプレが、自カプのテンプレになっていることです。
ベクトルを変えたり、原作に忠実な作風の人をドリ腐や信者は「あんなのABじゃない」と攻撃し排斥する始末。よく言うよ。ドリ腐大爆笑のくせに。


テンプレ自体が二次設定をもとに描かれ、原作にはそんな描写や設定は微塵もない。だけど二次設定に沿ってないものを平気で「ABじゃない」と言い出すドリ腐の頭こそ「どうかしてるぜ」なんですがこの界隈、論理より感情論が勝ちますからね。


キャラ崩壊してるのはドリ腐なのに、攻めのハイスペイケメン化により、その設定が支持され、むしろそっちが真実みたいに扱われてますが、私は原作のロースぺ攻めが見たいし、そんなロースぺで地味な攻めを好きになったんです。だけどそういうことを言えば「お前は攻めをけなすのか」と言い出します。こっちこそ言わせてもらいますけど、ドリ腐こそ「原作者の攻めを否定してるんじゃあーりませんか??」。